企業の「循環への取り組み」は、どこまで仕事に広がっているのか
CEを掲げていても、調達、工場、製品設計では進み方が異なります。大企業の上級管理職から得た2,950回答を通じて、取り組みの種類と、開始時期・規模・組織内の広がりを分けて捉える方法を読みます。
大企業の上級管理職から2,950回答を得た国際質問票調査
READING NOTES
サステナビリティの方針は、日々の仕事と意思決定にどうつながるか。
原著の問いと根拠をたどり、研究と実務で確かめたいことを考えます。
本欄では、原著に沿ってCSR(corporate social responsibility/企業の社会的責任)という用語を使います。実務でいうサステナビリティ経営(sustainability management)と重なる議論を、経営や日々の仕事との関わりから紹介します。
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このテーマに関係するまとめ記事です。複数の論文をつなぎ、実務で確かめたいことを考えます。
循環型ビジネスを試行から事業へ育てる条件を、6本の論文から考えます。組織能力、部門・企業間の調整、利益配分、長期の採算と計算の範囲をつなぎます。
KPIを報告しても、次の判断が決まるとは限りません。6本の論文から、測定の時期、部門の役割、戦略マップの共同改訂、評価での使い方をつなぎ、現場の改善につながる条件を考えます。
四つの論文を読み合わせ、CEの開示と実践、効率改善と環境便益の違いを、再使用パソコン事業の仮想例から考えます。
循環型の事業と仕事の仕組みから、開示、指標、正味の環境効果までを考えます。
CEを掲げていても、調達、工場、製品設計では進み方が異なります。大企業の上級管理職から得た2,950回答を通じて、取り組みの種類と、開始時期・規模・組織内の広がりを分けて捉える方法を読みます。
大企業の上級管理職から2,950回答を得た国際質問票調査
循環型の事業を始めるには、技術やアイデアを実際の仕事に変える組織の実践が必要です。欧州の既存企業10社から、顧客との対話、部門連携、企業間の役割分担、KPIが事業づくりにどう関わるかを読みます。
既存企業10社・13事例の探索的複数事例研究
循環型ビジネスの環境効果を、企業はいつ、どう確かめているのか。29件のインタビューと39件の質問票回答から、測定の知識や結果が設計担当者に届かず、事業の改善に結びつかない問題を考えます。
インタビューと質問票を組み合わせた探索的な質的研究
スマートフォンの4事例から、自社運営、提携、外注、第三者の独自活動を比較。回収や修理の技能・情報・顧客接点を誰が持つかが、事業の広げ方と製品設計への学習にどう関わるかを読みます。
4つの循環サービスの形を比較する質的事例研究
電動自転車の月額サービスは、利用者に好評でも拡大が延期されました。再利用後の費用と需要を確かめるまでに時間がかかり、その間も製品への投資が増えるという、循環型事業の検証の難しさを読みます。
理論的な命題の提示と、電動自転車事業の縦断的アクションリサーチ
再利用やリサイクルによる供給を増やしても、新品の生産が同じだけ減るとは限りません。価格や需要の変化で環境効果が小さくなる仕組みから、循環量のKPIと環境成果の関係を考える理論論文です。
経済学と先行研究を結びつけた理論・概念研究
旅客一人当たりの環境負荷が下がっても、循環の実践が変わったとは限りません。空港のCE指数を用いた研究から、総量・原単位・相対評価を読み分ける方法を考えます。
欧州13空港・2019~2023年の公開資料による指標構築、パネル回帰、感度分析
企業の報告書にCEと書かれていても、何を変えたかは見えにくい。1,370件の報告書分析から、言葉、活動、指標をどう読み分けるかを考えます。
97か国・1,367組織のサステナビリティ報告書1,370件を対象とした質的内容分析
環境目標を掲げても、各部門が何を変えるべきかは自動的には決まらない。食品メーカーの指標づくりを追い、全社目標と部門の行動、目標管理と報酬を結びつける設計と、その限界を考える。
イタリアの食品メーカーMuttiにおける1年間のアクションリサーチ。16部門を対象に、2回の聞き取りと社内資料から指標・目標管理制度を共同設計。
廃棄物削減や再生材の利用を始めても、その成果を費用だけで判断していないか。製造業の中小企業12社を調べた研究から、循環の実践と評価指標のつながりを考えます。
イタリアの製造業中小企業12社への半構造化インタビューと公開資料の照合
イタリアの大企業40社の報告書を、CEの基準文書の語彙と比較する研究。文章の類似度を、企業の実践や環境成果とどう結び付けて読むべきかを考えます。
FTSE MIB構成40社の2017〜2022年の英文非財務報告書のテキスト分析と、企業・年固定効果を用いた回帰分析
CEの指標を増やすだけでは、投資や事業の判断にはつながりにくい。産業機械メーカーで作られた循環型バランスト・スコアカードから、コスト削減と顧客価値を通じた収益拡大の道筋、その測定上の限界を読む。
イタリアの産業機械メーカー1社のケース研究。6か月・25回の訪問、経営幹部9名への30時間超のインタビュー、社内外資料から指標と戦略マップを共同検討。
循環型の製品を開発するとき、従来の会計情報では何が足りないのか。イタリアの6社が包装を共同開発した事例から、現場の情報とLCAが意思決定を支える仕組みと、対話に参加できない人が残る問題を考える。
イタリアの包装開発を担う6社のネットワークを対象とした単一事例研究。開発関係者と各社CFOへの聞き取り、企業資料を照合し、会計情報の使われ方と対話への参加を分析。
CE & PERFORMANCE
新しい6本では、企業が何を語り、何を実行し、何を測っているかをたどります。指標を設計することと、実際の改善を確かめることの間に残る課題を考えます。
サーキュラーエコノミー(circular economy:CE)を、資源の再利用だけでなく、組織能力、測定、企業間の役割、事業の不確実性、環境成果から考えます。6本はそれぞれ単独でも読めます。
重要課題を選ぶときの目的や声、指標の選定、現場と作る過程、導入後の運用、組織の変化。6本を順に読み、評価から仕事までのつながりを考えます。
個人の理解・動機、職場の関係、戦略への参加、情報・管理の仕組み、人材マネジメント。11本の扱う単位と研究方法の違いに注目しながら読みます。
各記事では、原著の論点、研究方法と限界、実務・研究への問いを整理しています。専門用語には英語を添え、「原著を読む順番」から論文の該当箇所へ進めます。
「北田の視点」や「書籍・研究とのつながり」では、実務で確かめたい問いと、書籍『サステナビリティ戦略の実装』(北田皓嗣・安藤光展)の関連章や論点との接点を紹介します。原著の知見と解説者の考察を区別し、書籍の事例を論文の理論の検証結果として扱うことはしません。